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「の」の ひみつ

 Googleマップを見ていたら、?!!「の」があるではないですか。おもしろい、なんだろう、という思いに駆られ調べてみました。あるお宅の庭にある道でした。この心が躍る体験は、貴重な「溶解体験」(以前このコラムに書きました)になりました。

 今回は、「の」のひみつを探っていきたいと思います。なんの「の」かと言いますと、「発達段階」と「発達の段階」、「発達課題」と「発達の課題」、「環境構成」と「環境の構成」の「の」です。「の」が付くか否かで、それぞれが表す文言に違いはあるのでしょうか。

 「の」が付くときは、例えば「環境」と「構成」を分けて捉えてほしいときなのだと考えます。すなわち、「発達段階」、「発達課題」、「環境構成」が従来もっている意味とは違う意味を表現したいのだろうと考えます。

 「発達段階」とは、多くの人に共通して見られる発達の道筋であると言われています。一方、「発達の段階」とは、人生という道の過程での変容としての「発達」における、その人またはその人たちの今の位置という意味での「段階」と考えられます。

 「発達課題」とは、人間が健全で幸福な発達をとげるために各発達段階で達成しておかなければならない課題であり、次の発達段階にスムーズに移行するために、それぞれの発達段階で習得しておくべき課題があると言われています。一方、「発達の課題」とは、「発達」という人の生きる過程の中で、その人が乗り越えることで新しい世界が開ける意味での「課題」と考えられます。

 「環境構成」とは、保育者が望んでいる遊びや活動を引き出すための材料や用具を用意し子供の活動を誘発するという考え方を基にした物的環境を準備・配置することと言われています。一方、「環境の構成」とは、子供の興味・関心に即した「環境」(もの、人、自然・社会現象、時間、空間、雰囲気など)を相互に関連させながら、その子供にとって必要な体験を積み重ねていける状況づくりを「構成」と捉え理解することができます。

 「の」のひみつを探る話はこれでおしまいです。様々な考え方はありますが、私なりの考えをまとめてみました。この思考過程は、私にとっておもしろくて刺激的な体験でした。(中村 崇)

 

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初出:ぐんしよう №203 (一社)群馬県私立幼稚園・認定こども園協会