第13回 ぐんま教育賞

<総 評>  ぐんま教育賞選考委員会委員長 平塚 浩士

 第13回ぐんま教育賞には144編の応募論文がありました。そのうち県民の部の「みやま未来賞」は118編、教職員の部の「杉の子賞」は26編の応募でした。これらの論文のほとんどが教育の向上に思いを致した素晴らしい内容でした。選考委員会において応募論文を様々な観点から評価し、十分に協議した結果、「みやま未来賞」では“児童生徒の心理ケア”の論文を最優秀論文としました。また、「杉の子賞」では、“特色ある教育活動の実践 ~時代が求める農業教育を目指して~“を最優秀賞としました。
 今回のぐんま教育賞に応募された方々の思いが、群馬県の教育現場で今後活かされ、“教育県ぐんま”が実現することを期待致します。

第13回 ぐんま教育賞選考委員(敬称略)

委員長   平塚 浩士  群馬大学学長
副委員長 持谷 靖子  三国路与謝野晶子紀行文学館館長
委員    台  善一  サンデンファシリティ株式会社取締役
委員    久保田桂子  有限会社イマージュ代表取締役
委員    藤村 好美  群馬県立女子大学文学部教授
委員    下田 明英  群馬県教育委員会事務局生涯学習課長
副委員長 井上惠津子  元群馬県教育委員会委員長
委員    関口 雅弘  上毛新聞社編集局長
委員    岩村 隆志  群馬県PTA連合会会長
委員    高松 正毅  高崎経済大学経済学部教授
委員    三好 賢治  群馬県教育委員会事務局義務教育課長


みやま未来賞(県民の部)
<講 評>  持谷 靖子
 
 今回のみやま未来賞には、未来は教育にこそという強い思いを抱く教職志望の大学生、院生が研究実践を基に希望溢るる多数の作品を、一般県民も地域社会、家庭の眼から情熱に満ちた作品を応募されました。最優秀賞は現代的課題のいじめ解消を視野に、子供の心理ケアを中心とした具体的提案で、大いに共感出来るものでした。優秀賞には老若男女、各文化分野まで網羅する食育を中心に楽しくも深い提言と数学的思考は生きる力を育むという幾例を挙げた提言とが、新鮮かつ秀逸であるとの理由で選ばれました。奨励賞は会話に弱い日本の英語教育、生徒参加の双方向授業、社会、地域、学校、家庭の広域一体で成る教育等を主題としており、改めて激を貰うと同時に今後もみやま未来賞への参画が大いに期待されるものでありました。

【最優秀賞】
 今井 遥
この度、このような賞に選んでいただき大変嬉しく思っております。私は大学での学びの中で、児童生徒がより良い教育を受けるためには、心理ケアが重要だと感じました。今後も養護教諭になることを目指し、努力していきます。
【優秀賞】
 林 裕介
この度は大変素晴らしい賞を賜りありがとうございます。私は大学院生ですが、教員になったらこんな教育をしたいという思いでこの論文を書きました。食への関心を高めるにはどうすればいいのか、これからも考えたいです。
【優秀賞】
 星野 美咲
大学で学んできたことや私が考えてきたことを書いて、このような賞を頂けたことを大変嬉しく思います。数学教育で「考え方を教える」ことを通して、子どもたちの「生きる力」を育むために、これからも学びに励んでいきます。
【奨励賞】
 松本 有紀
より良い教育とは何かを考える機会を作って下さったこと、そして私の考える双方向対話型授業の有効性に対して受賞という形で評価して頂けたことを大変喜ばしく思います。この論文が少しでも読んだ方の参考になれば幸いです。
【奨励賞】
 小野寺 美里
この度、このような賞をいただきとても嬉しく感じております。これからの子供たちが安心して群馬県でのびのびと育っていけるように、学生である私ながらしっかりサポートしていきたいと感じました。
【奨励賞】
 徳永 優子
稚拙な考えではありますが、勉強にわくわくして取り組む生徒が増えることがあればこれ以上に嬉しいことはありません。もしお役に立てることがあればお手伝いできれば幸いです。この度は誠にありがとうございました。


杉の子賞(教職員の部)
<講 評>  井上惠津子
 何れの論文も効果的な実践を通して、児童・生徒の変容を導き、成果を上げている様子が強く感じられる素晴らしいものでした。最優秀賞は現代社会が求める農業教育に対する論文で、生徒に夢を与える実践型教育が具体的に示されていました。国の認定制度である「食の6次産業化プロデューサー」に生徒が認定され、食と農のリーダーとして期待されていることも高く評価されました。優秀賞を受賞した定時制高校の実践は、生徒に自己肯定感や自己有用感を育むための温かな学校運営が、またアクティブ・ラーニングを取り入れた「書くこと」の指導の実践は学ぶ楽しさを味わわせる授業づくりの創意工夫が評価されました。更なる教育の向上のために積極的な発表をお願いします。

【最優秀賞】
 県立安中総合学園高等学校 教諭 石井 樹一朗
総合高校という、自由な発想や新しい取り組みを受け入れる環境であったことが、様々な活動に結びつき、成果に繋がったと思っています。今後も魅力ある農業を実践していきます。ありがとうございました。
【優秀賞】
様々な事情を抱えながら定時制高校に学ぶ生徒がいます。『ハートフル沼高定時制』をスローガンに少人数指導のもと、心のふれあいを大切にした沼田高校定時制の取り組みに対し、理解と評価をいただきありがとうございます。
【優秀賞】
 千代田町立東小学校 教諭 神林 美紀、教諭 長南 美穂
このたびは、大変素晴らしい賞をいただき、本当にありがとうございます。東小学校全職員で取り組んだ研修が評価され嬉しい限りです。まだスタートしたばかりの取組ですので、今後も継続し、発展させていきたいと思います。
【奨励賞】
この度は、身に余る評価をいただき誠にありがとうございます。執筆にご協力いただいた学校関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。事務職員ならではの視点を評価いただいたものと信じ、今後も学校運営に貢献できるよう尽力して参ります。
盲学校は、点字の導入や歩行指導だけでなく、教科指導の様々な工夫がされています。今回の工夫はその一端ですが、自分が課題と向き合ってきた事例です。今後も、子どもたちの期待に精一杯応えていきたいと思います。
 【奨励賞】教師のカウンセリングマインドのもと学校教育相談を活用することは、いじめや不登校、問題行動等の未然防止につながると考えています。今後も、誠実に子どもに向き合い、謙虚に学んでいく姿勢を大切にしていきたいと思います。