第14回 ぐんま教育賞 表彰式
~わかち合おう! 育てる知恵、教える知恵~

<総 評>  ぐんま教育賞選考委員会委員長 平塚 浩士

 第14回ぐんま教育賞には186編の応募論文がありました。そのうち県民の部の「みやま未来賞」は165編、教職員の部の「杉の子賞」は21編の応募でした。これらの論文は群馬県の教育の向上を願い、課題とその解決策を提案した意欲的なものでした。選考委員会で応募論文を様々な観点から評価し、十分に協議した結果、「みやま未来賞」では、岩崎夏子さんの “楽しく学びがいのある小学校英語学習”を最優秀賞としました。「杉の子賞」には、大栗和美先生の“ふるさとを誇りに思う生徒を育てる教育課程の創造”を最優秀賞として選びました。 ぐんま教育賞に応募された方々の思いが群馬県の教育関係者に共有され、教育現場で活かされて、“教育県ぐんま”が実現することを希望致します。 

 第14回 ぐんま教育賞選考委員(敬称略)

 委員長   平塚 浩士  群馬大学学長

【みやま未来賞(県民の部)】
 副委員長  持谷 靖子  三国路与謝野晶子紀行文学館館長
 委員    台  善一  サンデンファシリティ株式会社取締役
 委員    久保田桂子  有限会社イマージュ代表取締役
 委員    藤村 好美  群馬県立女子大学文学部教授
 委員    下田 明英  群馬県教育委員会事務局生涯学習課長

【杉の子賞(教職員の部)】
 副委員長  井上惠津子  元群馬県教育委員会委員長
 委員    関口 雅弘  上毛新聞社編集局長
 委員    岩村 隆志  群馬県PTA連合会会長
 委員    高松 正毅  高崎経済大学経済学部教授
 委員    山口 政夫  群馬県教育委員会事務局高校教育課長


みやま未来賞(県民の部)
<講 評>  ぐんま教育賞選考委員会副委員長 持谷 靖子

 教育向上、人間形成への思いの深さに感動しつつ評価させて頂きました。最優秀賞は、現代日本が求める国際社会で通用する子どもを育てるための実践的かつ具体的な提案で、全国的にも誇示出来るのではないかと思っています。数日後、中央教育審議会でも小学5、6年での英語正式教科化決定との報道があり、その前進的思考に更にこの評価を再確認しました。また優秀賞、奨励賞には、現在、困惑悲憤の子供虐待の各種問題等に対して、学校が如何に介入し善処出来るか等の家庭や社会関連の論文が選ばれました。 しかし今回の応募は、未来日本は教育にありと強い信念を持つ大学生のみで、支援団体や家庭からの一般県民は一人だけでした。教育は一蓮托生。今後の広報、方法を約束し、来年を期しました。
 

【最優秀賞】
 岩崎 夏子
この度は、素晴らしい賞に選んでいただき大変嬉しく思います。「子どもたちに英語でコミュニケーションをとる楽しさを伝えたい」という思いからこの論文を書きました。子どもたちが楽しく学べる英語の授業を通して、英語の楽しさを伝え、英語が楽しい、英語が好きという子どもたちでいっぱいになるように頑張っていきます。
【優秀賞】
 染谷 麻里
この度は大変素晴らしい賞をいただきありがとうございます。今まで出会ってきた人との関わりや大学4年間の学びの中で、子どものサインに気付き支援することの大切さを実感しました。これからも子どもたちの問題について学び続けるとともに、子どもたち一人一人に向き合い、養護教諭を目指し努力していきます。
【優秀賞】
 高橋 果歩
この度、このような賞に選んでいただき、大変光栄に思います。私は特別支援教育を学ぶ中で、障害のあるなしに関わらず、子どもたちがお互いに支え合いながら、共に学び、暮らす環境を作りたいと感じました。教員として働き始めたときにも、全ての子どもが学びやすい環境を整え、子ども同士がそれぞれの良さを発見しあう機会を作っていきたいと思います。
【奨励賞】
 原島 愛隣
ボランティア活動や教育実習の際に抱いた思いを伝えたい一心で書きました。それをこのような形で評価していただき大変光栄です。今後も学習障害のある児童のために何ができるのかを考え、より一層精進して参ります。ありがとうございました。
【奨励賞】
 小河原 祥
この度はこのような素晴らしい賞を頂くことができ、大変光栄です。日頃、教育について考える機会を私に与え続けてくれた母と、学校と家庭での教育の連携について教えてくださった大学の先生方に感謝します。一人でも多くの児童・生徒が、家庭と学校双方からの支援によって直面した問題を解決し、元気に過ごせることを祈っています。
 中嶋さなえ
 奨励賞に選んでいただきありがとうございます。自分の体験から子どもたちの自己肯定感の育成について考えました。無限の可能性を持った子どもたちが自信を思って生きていけるような教育ができたら良いと思います。ありがとうございました。


杉の子賞(教職員の部)
<講 評>  ぐんま教育賞選考委員会副委員長 井上 惠津子

 どの作品も意欲的な実践で、高い教育的効果が期待できるものでした。甲乙付け難く、今回は最優秀賞1編、優秀賞1編、奨励賞4編といたしました。最優秀賞はふるさとを誇りに思う生徒を育てる取組をまとめた論文で、ふるさと学習の一環として伊勢崎銘仙を題材とし、それを体系化させたことが高く評価されました。優秀賞は視覚障害のある子どもへの美術教育の取組を多岐にわたり網羅的にまとめており、その提言性が評価されました。奨励賞は自己有用感をはぐくむ指導、アクティブ・ラーニング型校内研修の試み、問題解決的な学習の改善、主権者教育を支える視点を主題とした内容で、何れも今日的教育課題をしっかり捉えた論文でした。今後も先生方の更なる教育力向上を期待しております。

 太田市立南中学校(前伊勢崎市立境北中学校) 教頭 大栗 和美
私は地元伊勢崎住民でありながら、ふるさとについての関心は薄かったです。しかし、この研究で伊勢崎銘仙の技術力の高さ、先人達の知恵と努力の礎で、今が在ることを実感し、感動の連続でした。生徒と共に学ぶことで私もふるさと伊勢崎が大好きになりました。受賞は、多くの方々と純粋な境北中の生徒達のおかげです。本当に感謝しています。
【優秀賞】
昨年4月に盲学校へ異動になり、美術教育についてこれまでの実践をまとめ皆さんに知っていただくことは自分に与えられた役割の一つだと思い「ぐんま教育賞」に応募させていだだきました。長年考え続けてきた内容ではありますが、未だにこれで正しいのかと自問自答しております。思いがけず賞をいただき、大変感謝しております。
 伊勢崎市立あずま小学校 教諭 長沼 明典
本賞の受賞を大変うれしく思っています。本論文で紹介させていただいた実践は、あずま小学校の校長先生をはじめ、全職員、全校体制で取り組んだものです。本実践を始めて3年が経ちますが、今では下学年の児童にも「優しく頼もしい上級生になりたい」という気持ちをはぐくむ上で有効な取組になっています。みなさんのご参考になれば幸いです。
このたびは身に余る賞をいただき大変光栄です。論文に挑戦することを勧めていただき、様々なご指導ご助言を下さった下田校長先生、頼りない新任の研修主任を支えるように真剣にAL型の校内研修に取り組み、授業改善をしていただいた第三中の先生方に感謝申し上げます。今後も生徒の豊かで深い学びのために尽力して参ります。
 前橋市立桂萱小学校 教諭 関口 智子
3度目の賞をいただき、大変嬉しく思います。昨年の夏、私が7年前に書いた論文を読み、参考にしたいということで、千葉県の先生が訪ねていらっしゃいました。思いもよらない出会いに感激し、自分の教育実践が役に立っていることを実感しました。この度の論文は、私の算数教育の集大成であります。また、多くの先生方のお役に立てれば幸いです。
 【奨励賞】この度は名誉ある賞をいただくことになり、大変恐縮いたしております。主権者教育の実践は全国的にもまだ始まったばかりで、その充実に向けた「不断の努力(日本国憲法第12条)」はこれからも続きます。拙稿もその軌跡の一つに加えていただけたことに感謝申し上げます。