第10回21世紀ぐんま教育賞の募集を行ったところ、みやま未来賞(県民の部)158編、杉の子賞(教職員の部)49編、合計207編の応募をいただきました。選考の結果、10編が入賞し、表彰式が2月12日に群馬県庁昭和庁舎正庁の間で行われました。ここに、入賞論文と受賞者のことばを紹介いたします。

<総 評>
 今回の21世紀ぐんま教育賞には200編以上の応募がありました。記念すべき第10回にあたり、このように多数の応募があったことは、教育に対する関心の高さを表していると思われます。いずれも甲乙つけがたい論文でしたが、厳正に審査し、各賞を決定しました。最優秀賞は、県民の部の「みやま未来賞」では、郷土の誇りである上毛かるたに着目し、その無限の可能性を提案したものです。また、教職員の部の「杉の子賞」では、人間関係の構築について解析し教育実践していく精緻な論文です。この他にも、現在問題となっている教育上の諸課題について多様な視点から述べたものが多く、教育に対する期待とそれを受け止めて教育をおこなっている方々の思いが感じられました。
高田委員長
第10回 21世紀ぐんま教育賞選考委員(敬称略) 
委 員 長  高田 邦昭  群馬大学学長
副委員長  持谷 靖子  三国路与謝野晶子紀行文学館館長
副委員長  桑原 保光  桑原動物病院院長
委  員  内山  充  上毛新聞社編集主幹
委  員  久保田桂子  (有)イマージュ代表取締役
委  員  石倉 利雪  サンデンファシリティ株式会社代表取締役
委  員  松本 富子  群馬大学教育学部教授
委  員  早川  毅  群馬県小中学校PTA連合会会長
委  員  藤村 好美  群馬県立女子大学文学部教授
委  員  鵜生川隆之  群馬県教育委員会高校教育課長
委  員  森田 勝也  群馬県教育委員会生涯学習課長
みやま未来賞(県民の部)
<講評>
 大学生、PTA、地域、家庭と多岐から応募され、いずれも真剣な良い提案ぱかりでした。最優秀賞はお馴染「上毛かるた」の活用。今迄の活用に更なる杜会的教育的付加による具体的論は継続効果を高め、年代を超えて共有すべき未来を感じさせました。
 又、ゆとり教育再考や、将来を見据えた質の良い授業のヒントを論じた作品が優秀賞に選ばれました。
 家庭からの実践論は、教育は家庭から始まことを再確認させられ、観光教育の提案は現代的課題であり奨励賞となりました。その他小学校からのキャリア教育、学校支援センターのコーディネイター化案もこれからの視点であり今年の特徴でした。 
持谷副委員長
最優秀賞
 上毛かるたのこれから
  -更なる発展に向けて-
 
田島 広大
受賞のことば
 この度は名誉ある賞に選んでいただき、大変光栄です。幼い頃から慣れ親しんできた上毛かるたが、群馬県をさらに盛り上げてくれることを期待しています。
優秀賞
 質の良い授業と将来性を重視する教育 
岡田 なのは
受賞のことば
 この度、このような論文賞をいただき、ありがとうございました。自分の考える質の良い教育について、それに携わる方々に評価していただけたことを大変嬉しく思います。実際の教育現場でもお役に立てたら幸いです。
優秀賞
 総合学習と「ゆとり教育」から現在の教育について考える 
山下 美波
受賞のことば
 この度は、賞をいただくことができ、恐縮すると共に大変嬉しく感じております。未来ある子供達が、生きる力を育み、豊かな心を持ち、成長していける教育に期待しています。また、私自身も教育に関心を持ち続けていきたいです。
奨励賞
 私的教育論 
植原 奈美
受賞のことば
 奨励賞ありがとうございます。子育てに専念するために専業主婦になって20年。自分なりに考えてきた子育て論が受賞したことをとても嬉しく思います。これからも日々の努力を欠かさずがんばっていきたいと思います。
奨励賞
 群馬県における観光教育の導入についての主張 
安藤 光司
受賞のことば
 奨励賞に選んでいただき、ありがとうございます。今回の主張は私自身の体験を元に書きました。これからは学生達の力で群馬県の観光を盛り上げていけたらと思います。この受賞を励みとして、今後もがんばりたいです。

杉の子賞(教職員の部)
<講評>
 今年度の杉の子賞入選論文は、人間関係作りや心と絆作りをテーマにした作品が深く印象に残りました。
 優秀賞論文の「心と心を繋ぐ生徒会活動」は、地域社会との連携で様々な活動を展開し、体験することの力強さと目標達成の努力に対して感銘を受けました。
 最優秀賞論文の「親子と級友の絆を深める」は、今までに無い着眼点で家庭と一体となった確かな親子関係の構築による人間関係作りを取り入れ、段階に応じた実践やQ-Uテストを活用した絆作りの有用性が高く評価されました。
 今後も更なる教育力向上のために、実践的な取り組みや先進的な取り組みの発表を期待しています。 
桑原副委員長
最優秀賞
 親子と級友の絆を深める
  -段階を踏んだ指導の実践-
 
東吾妻町立岩島小学校
教諭 黒岩 佐登美
受賞のことば
 今回の受賞は本校の保護者・職員全員が一致協力して取り組んだ成果だと思います。今後も、地域・学校が一丸となって僻地校の子ども達がより良い人間関係を築いていけるよう、研究を継続していきたいと思います。
優秀賞
 専門高校における
  『総合力』を育成する指導の工夫
 
県立利根実業高等学校
教諭 柴山 和宏
受賞のことば
 今回の受賞は、社会に出て即戦力となる技術者育成のために、本校職員が一丸となり、地域連携を含む様々な事業に取り組んだ成果であると思っています。関係者の皆様には、この場を借りて心より深く感謝申し上げます。
優秀賞
 心と心を繋ぐ生徒会活動
  ~協働体験「アルミ缶回収活動」を通して~
 
藤岡市立東中学校
教諭 木下 紀子
受賞のことば
 この実践は私一人の取り組みではなく、全校生徒513人と地域の方々の協力と繋がりによってできたことです。この取り組みが今も継続し、東中学校の良き伝統となっていけばこれ以上嬉しいこはありません。
奨励賞
 中1ギャップ未然防止に向けた取組
  -小・中連携体制の充実を通して-
 
沼田市立薄根中学校
(代表) 教諭 後藤 一将
受賞のことば
 小中学校の職員が連携して具体的な取組を積み重ねてきました。この度、杉の子賞をいただきましたことに感謝申し上げるとともに、今後も一層の連携充実を図り、よりよい学校づくりに努めていきたいと思います。
奨励賞
 学習意欲を高め、楽しく美術の活動に取り組む生徒の育成
  -心象表現題材「瞳を閉じて見えるもの-13歳の自分-」
  の開発と実践を通して-
 
太田市立宝泉中学校
教諭 久保田 裕
受賞のことば
 美術教師の思いと美術を楽しむ生徒の姿を県民の皆様にお伝えできましたら幸いです。本賞への応募は、授業を見直す絶好の機会となりました。受賞を励みとし、今後も美術教師の使命を踏まえ、生徒に寄り添う所存です。